
昨今注目を集める「多様性」という言葉。世界がどんどん複雑になる中、いかにして考え、生きていけばいいのか。そのヒントとなる考え方、「グローバル・シチズンシップ」について、新刊『15歳からの世界のとびらの開き方』(青春出版社刊)から抜粋して紹介します。
誰もが持っている「世界をよりよくする志」
「グローバル・シチズンシップ」という言葉をご存じでしょうか。グローバル・シチズンシップとは、「英語ができる/できない」や「海外に行ったことがある/ない」といった分断ではなく、「地球社会の一員として、どう生きるか」という共に生きる視点を大切にする考え方です。日本での認知度は低く、まだまだこれからの考え方かもしれません。
今はネットでも、リアルでも、国籍や人種、文化が混ざり合う時代です。そして、地球の環境変化が大きく私たちの生活に影響を及ぼす時代でもあります。私たちは、一人ひとりが、地球規模でつながる時代を生きているのです。
そんな時代に、私たちは私たち自身を何と定義すればいいのでしょうか。日本人、アジア人、あるいは人間、人類、地球人……、いろいろ考えられるかもしれません。
以前、GiFTの短期海外研修Diversity Voyageのマレーシア・クチンコースで、ファシリテーターとして同行したとき、こんなことがありました。
9日間のプログラムでは、マレーシアの学生と日本の学生は、先住民族の村に依頼を受け、村に滞在しながら、その村の魅力を見つけ価値化するアイデアをチームで共創しました。そして、その内容を、村長さんをはじめとした村人たちにプレゼンテーションしました。
その経験を振り返ったとき、日本の学生がこんなことを言いました。