米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長は、インフレについて「一時的」という言葉の使用をやめたかもしれないが、2021年の過度なインフレの要因の大半が一時的なものだったという一般的認識は、今も健在だ。多くのエコノミストや市場ウォッチャーらは、インフレ要因の大半が2022年には消えうせると予想している。筆者はそれほど確信を持っておらず、米経済は今年も高いインフレ率を維持し、場合によっては今年のインフレ率が2021年を上回る可能性もあると考えている。個人消費支出に関するコア物価指数(FRBが事実上の目標に使っている指数)の上昇率は、21年は4.5%前後だった。連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーの予想の中央値では、同上昇率は2.7%に鈍化する見通しだ。FRBスタッフの予想値はさらに低い。インフレ連動債の利回りから判断した市場の今年のインフレ率予想値は、同様の基準で見て2.5%前後だ。
【寄稿】米インフレを懸念すべき4つの理由
労働市場は逼迫、需要は高止まり、コロナによる影響は不透明――
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