債務危機が深刻化しているスリランカで、巨大経済圏構想「一帯一路」を通じて中国から受けた融資が政治的な火種に浮上してきた。スリランカは輸入代金の支払いに窮するほど財政が悪化しており、5億ドル(約570億円)相当の国債償還を控えた先週には、インドから金融支援を受けた。インド洋から中国の影響力を排除したいインドにとっては、スリランカの債務危機は新たな機会をもたらしている。スリランカ中央銀行のニバード・カブラール総裁は、自身の公式ツイッターアカウントで、18日に償還を迎える国債の支払いを履行したと明らかにした。同国は今年、総額45億ドル相当の国債償還を控えており、今回は大型償還の第1弾だった。しかし、スリランカの政府歳入の約3分の2はすでに利払いに充てられており、ゴタバヤ・ラージャパクサ大統領は議会での演説で、輸入代金の支払いに必要な外貨準備が不足していると警告した。