米マイクロソフトによる総額750億ドル(約8兆5900億円)での、米ゲームソフト大手アクティビジョン・ブリザードへの買収提案は、米国や海外の独禁当局の厳しい監視の目にさらされることになりそうだ。各国の独禁当局は、特にハイテク分野での買収提案を厳しく精査する姿勢を強めている。
最大級、最強クラスの米IT(情報技術)企業に対して政府が規制を強めるべきかどうかをめぐる議論がワシントンで活発化している中で、今回の買収提案が行われた。マイクロソフトの規模と米経済への影響力に加え、1990年代に独禁当局に目を付けられていた過去があるにもかかわらず、同社はこのところ、目立った監視対象となることを免れていた。米司法省や連邦取引委員会(FTC)、議員らは、同社よりも、アルファベット傘下のグーグルやアマゾン・ドット・コム、アップル、メタ・プラットフォームズ傘下のフェイスブックによる、競争を阻害しているとされる脅威に注意を向けてきた。