ロシア軍がウクライナ国境付近に部隊を集結していることを受けて、欧州では戦後の安全保障を支えてきた北大西洋条約機構(NATO)とは別に、防衛戦略で独自の路線を構築すべきかとの議論が再燃し、緊張が高まっている。エマニュエル・マクロン仏大統領は19日、フランスが欧州連合(EU)議長国に就任したことに伴い演説。欧州として独自の道を進むべきだと訴え、EU内の溝が露呈する格好となった。マクロン氏は欧州議会で「大陸を取り巻く安保情勢は、平和と均衡の原動力として、欧州の戦略的な再軍備を必要としている。とりわけロシアとの対話に関してはそうだ」と述べた。マクロン氏はその上で、EUは今後数週間にNATOと連携しつつ、「安保と安定の新たな秩序」を構築する計画を策定すべきと主張。「欧州内でまずこれを構築し、NATOの枠組みの中で同盟国と共有しなければならない。そしてロシアとの協議で提案する」とした。
ロシア軍集結で拍車、EUに広がる防衛への不安
EU議長国に就任したフランスのマクロン大統領はEU独自路線を訴えるが
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