安全保障や環境、人権が物流上の制約となり
サプライチェーンの「ローカル化」が進む

B モノの流れ方の変化に注目している。先ほども話したように、サプライチェーンの「ローカル化」が進むのではないかとみている。安全保障や環境、人権が物流上の制約となり、これらの価値観を共有する国・地域間でのモノのやり取りが増えるのではないか。

 米中の対立は貿易の不均衡による対立から、民主主義VS権威主義という価値観の対立に軸足が移っている。半導体や医薬品、電池などの戦略物資については、中国を組み込まない形でのサプライチェーンの構築が進むのではないか。もちろん、中国を外したサプライチェーンの構築は非現実的との見方もあるが、一定の「制約」にはなりうる。

 一方の中国もハイテク分野で自給自足を目指すとともに政府調達で国産品を優先する「バイチャイナ」――米国における「バイアメリカン」の中国版のようなことを打ち出して「ローカル化」を進めている。中国国内からのデータの持ち出しを規制する動きもあり、物流会社も含め日本の企業は、中国市場を分けて戦略を考える必要が出てくるのではないか。

 また、サプライチェーンの決定要因として、これまでは「Economic(経済的)」の「E」が最重要な要素だったのが、「Ecology(環境保護)」や「Ethical(倫理的)」の「E」が重視され始めている。今後の消費の中心となるZ世代は社会問題への関心が強く、環境負荷が高いものや、人権侵害が疑われるような商品は市場から受け入れられなくなっていく。メーカーのモノの作り方や作る場所、運び方のようなものも変わってくる。

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モノの流れる量や流れ方が変わってくる?

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