「宅配便50億個時代」にいよいよ突入、コロナ禍でEC市場拡大の行方写真はイメージです Photo:PIXTA

国土交通省はこのほど、2020年度の宅配便取扱個数を公表した。それによると、総取扱個数は48億3647万個となり、前年度から5億1298万個、11.9%増という大幅な伸びとなった。20年度はコロナ禍における巣ごもり消費の拡大でeコマースが急増。これまでECに馴染みがなかった高齢者層などにも裾野が広がった。今期も、コロナ禍の長期化や生活スタイルの変化からECの継続成長が見込まれており、いよいよ“宅配便50億個時代”が視野に入ってきた。(カーゴニュース)

ヤマト、佐川、日本郵便
ビッグ3で95%を寡占

 20年度の宅配便取扱個数の内訳をみると、トラック運送によるもの(トラック宅配便)が47億8494万個となり、前年度比11.5%増。航空等利用運送によるもの(航空宅配便)が5152万個となり、前年度比56.8%増となった。

 このうち、トラック宅配便は上位3便(宅急便、飛脚宅配便、ゆうパック)で全体の94.8%を占めており、3社による寡占状態がさらに進んだ。これにフクツー宅配便、カンガルー便を含めた上位5便で全体99.8%を占めている。

 一方、航空宅配便では、上位4便(飛脚航空便、宅急便タイムサービス等、フクツー航空便、スーパーペリカン便)でのシェアは35%にとどまっており、その他の118便が65%を占める構成となっている。