アマゾンがB to B業務まで担う時代、企業の物流子会社の「末路」とは?Photo:123RF

新春にあたり、急激な変化の中にある物流業界の今後について、カーゴニュースの5人の記者が語り合った。超ロングで熱気あふれる議論の中から、ダイヤモンド編集部が厳選して抜粋し、4回にわたって連載する。3回目の前半は、物流子会社の「末路」について、事情に精通する記者達が厳しく指摘する。後半はDX人材の育成や、サプライチェーンの混乱について。安全保障や環境、人権が物流上の制約となり、2022年はサプライチェーンの「ローカル化」が進むという。(カーゴニュース)

>>カーゴニュース記者5人が徹底討論!新春座談会【(1)】【(2)】から読む

アマゾンがB to Bの入集荷業務まで担う時代
企業の物流子会社はどうなる?

A 最後に、各記者が個人的に注目しているテーマについて話してもらいたい。

C 私はプレーヤーの拡大に注目している。話題にあがったアマゾンが“あたかも物流会社のように”B to Bの入集荷業務まで担っているように、今まで物流業を手掛けていなかった業種・業態の企業がこの市場に参入してきている。このほかにも、物流不動産や自動車メーカーなど、近接する業界のプレーヤーがそれぞれの強みを持って進出している。

 さらに、最近では近接業界以外のプレーヤーも物流サービスの提供に意欲を持つようになっている。このコロナ禍で物流は“エッセンシャル”な仕事としてその重要さが再確認されるとともに“安定した仕事”としての認識が広がったことも要因のひとつではないか。

 そうした時に気になるのが、物流子会社の存在だ。日本特有のビジネスモデルとして、国内の多くの企業が物流子会社を持つが、こうした“物流の現場のプロ”が、物流業への本格参入を狙う荷主の動きにいかに絡んでいけるか――長年の知見やオペレーションのノウハウを発揮して、強力な支援者となれる可能性を持つ一方で、荷主の中には「物流子会社は荷物を言われた通りに出荷し、運ぶことしかできない」と高を括り、別の物流会社やスタートアップと手を組むようなところもある。

 それは物流子会社個社の責任ではなく、そうした役割のみを彼らに課してきた荷主側の判断によるところでもあるのだが、「物流子会社」という存在が今後どのように位置づけられていくのか、注目していきたいと思う。