物流不動産の開発の勢いが止まらない。コロナ禍でのEC需要の高まりやサプライチェーンの混乱も新たなスペース需要を喚起し、供給を後押しする。プレイヤーの参入が相次ぎ、用地の取得競争も激化。賃料の上昇基調も続く。活気づく物流不動産市場の7つのトレンドを読み解く。(カーゴニュース)
(1)ラストワンマイル対応、都市型に注目
EC需要の拡大により、ラストワンマイル配送にも対応可能な都市型物流拠点のニーズが増している。物流不動産はこれまで広域交通網の充実により、より「郊外型」、「大型化」に向かっていたが、都心への配送のリードタイムの利便性から、「都市型」と「コンパクト化」への回帰もみられる。
プロロジスは都市型物流施設「プロロジスアーバン」の提供を開始。東京都内など人口集積都市で効率的な配送を実現するための新たな物流施設ブランドを打ち出した。2022年着工予定の「プロロジスアーバン東京大田1」は最小100坪からの賃貸が可能だ。三井不動産もアーバン型物流拠点を都内で計画している。
都市部には純粋な物流需要だけでなく、オフィスや営業拠点、スタジオ機能などマルチユースの需要も見込まれる。不動産調査会社も「東京都では小規模な倉庫に対するニーズが圧倒的に多い」と分析する。ただ、都市部は用地そのものが希少となるため、都市型物流不動産の市場拡大は限定的ともみられる。