米連邦最高裁判所のスティーブン・ブライヤー判事(83)が近く引退する方針だ。チャック・シューマー上院院内総務(民主、ニューヨーク州)が26日、明らかにした。ブライヤー判事の引退で、黒人女性の判事起用を掲げていたジョー・バイデン大統領にとっては、最高裁内のリベラル派を固める機会が生まれる。ブライヤー判事は1994年に、クリントン大統領によって指名された。最高裁の現会期が終了するまでは現職にとどまるとみられている。リベラル派の重鎮、故ルース・ベイダー・ギンズバーグ判事が2020年9月に死去して以降、民主党内ではブライヤー判事の引退計画を巡り懸念が高まっていた。当時上院の過半数議席を握っていた共和党は、民主党の強硬な反対を押し切って、ギンズバーグ氏の後任として若い保守派のエイミー・コニー・バレット氏の指名人事を承認。バレット氏の就任で、最高裁判事の陣容が保守派に傾いた経緯がある。