米マイクロソフトはビデオゲーム大手アクティビジョン・ブリザード買収という空前の提案で大きな賭けに出ているが、 690億ドル(約7兆9500億円)規模の買収が規制当局に阻まれるとの懸念は、誇張されているかもしれない。そうした懸念を背景に、アクティビジョン株は買収案が発表された先週以降、買収価格に対して大幅なディスカウントで推移している。26日には78.78ドルと、マイクロソフトが提示する1株当たり現金95ドルを17%下回った。これは、買収が発表された日にアクティビジョン株の終値に反映された13%のディスカウントよりさらに大きい。完了までの期間が長い大型買収では価格ギャップはよくあることだが、それにしてもこれは行き過ぎに思える。マイクロソフトが昨年4月に買収に合意したニュアンス・コミュニケーションズはここ3カ月、1株当たり現金56ドルの提示価格に対して平均わずか1.5%のディスカウントとなっている。マイクロソフトは10月末の決算説明会で、この197億ドルでの買収について、完了まで予想以上の時間がかかると警告していた。今月25日の電話会議では、ニュアンス買収が3月末に完了する見込みだと言明した。
技ありマイクロソフト、反トラスト念頭に先手か
アクティビジョン株価は買収の障害織り込むもMSは一枚上手
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