フィデリティの低迷脱却、創業者孫娘の手腕とはPhoto:Boston Globe/gettyimages

 米資産運用大手フィデリティ・インベストメンツのアビゲイル・ジョンソン最高経営責任者(CEO、60)は創業者の孫娘であり、最近では意外な場所から投資世界の動向をチェックしている。それは、オンライン掲示板レディットに集うストックピッカー(銘柄選びをする投資家)のフォーラムだ。

 少し前まで、フィデリティはやや迷走している時代遅れの会社だと思われていた。利益は落ち込み、アクティブ型ファンドの「スター」運用者から顧客が離れつつあった。かつて世界最大の資金運用会社だったフィデリティは、ブラックロックやバンガード・グループの後じんを拝するようになり、社内の一部には、創業家出身のジョンソン氏に対し、経営者としての大胆さが足りないと懸念する声があった。

 だが現在、75年の歴史を持つフィデリティは、ウォール街のどの大手企業よりも、暗号資産(仮想通貨)の将来に大きく賭け、個人投資家がパワーを与えた他の分野でも積極的な賭けを展開している。しかもそのプランはうまく機能しているようだ。