バブル相場の正体#2Photo:Petrovich9/gettyimages

隣の個人投資家は、コロナ禍の上昇相場でもうかったのか。つい他人の懐事情が気になってしまう。そこでダイヤモンド編集部は、個人投資家200人にアンケートを実施。特集『バブル相場の正体』(全12回)の#2では、アンケートの結果から判明したコロナバブルの熱狂と不安をお届けする。(ダイヤモンド編集部 杉本りうこ、堀内 亮)

在宅勤務を機にデイトレード開始
150万円が300万円に膨らむ

 パソコンの画面上に示された、ただの数字の羅列ではある。それでもその数字を確かめると、ニヤついてしまう。

 旅行代理店に勤務する20代の男性は、新型コロナウイルスの感染拡大が始まった2020年に入って日本株を中心に投資を始めた。国内はもちろん、世界各地でロックダウンが行われ、旅行需要は蒸発。自身の仕事は激減した上、在宅勤務で「おうち時間」が圧倒的に増えた。この先、給料が減らされるのは目に見えていた。

 給料が減った分をカバーしたい。そんな動機で「デイトレーダーのまね事」を始めるために用意した投資の元手は150万円だった。

 午前9時から午後3時まで、パソコン画面に張り付いて値動きをチェック。午前と午後の取引終盤は取引を繰り返した。多いときは1日に4銘柄を売買。仕事そっちのけのありさまであった。

 その元手が、この1年のコロナ禍の上昇相場に乗ってなんと300万円まで膨らんだ。ビギナーズラックとはいえ、“コロナバブル”に乗ることができた。

「かつてのバブル崩壊を経験していない世代なので、今がバブルなのかは正直分かりません」。男性は、“コロナバブル”崩壊の不安を抱えつつも中国株、米国株にも手を伸ばそうとしている。「投資は半ばギャンブル、半ば趣味ですね」。株価を表示するパソコン画面とにらめっこする日々は、やめられそうにない。

 コロナ禍の上昇相場に乗れた人は、いったいどれくらいもうかったのか。そもそも今の株式市場は、バブルなのかどうか。下衆な根性だが、隣の個人投資家の懐事情や心理をのぞきたいところである。

 そこでダイヤモンド編集部は、個人投資家約200人を対象にアンケートを実施した。中でも「バブルか否か」の回答からは、年齢層による一定の傾向が見えてきた。

 それでは、アンケート結果を見てみよう。