東大合格者の「集中力」を、本当は誰でも発揮できる!?東大に合格する人の集中力というと、普通の人には真似できないようなハイレベルなものを想像するかもしれないが、本当は誰にでもできるのかもしれない(写真はイメージです) Photo:PIXTA

レビュー

 シリーズ累計40万部を突破した『東大読書』『東大作文』『東大思考』の著者、現役東大生の西岡壱誠氏が、「集中力」について書いたのが本書『仕事と勉強の成果が変わる! 東大超速集中力』である。

 東大に合格する人の集中力というと、普通の人には真似できないようなハイレベルなものを想像するかもしれない。もしくは、子どもがスポーツやテレビゲームに夢中になるように、勉強が好きで仕方ないからこそ集中できるのだろうと考えていないだろうか。

『仕事と勉強の成果が変わる! 東大超速集中力』『仕事と勉強の成果が変わる! 東大超速集中力』 西岡壱誠著 大和書房刊 814円(税込)

 だが、勉強が好きだからといって、東大に合格できるというわけでもない。東大に合格できるかどうかは勉強の好き嫌いではなく、入学試験の結果次第だからだ。実際に著者も、勉強は嫌いだったようである。小学校の時には集中力がなく、「三日坊主」というあだ名をつけられるほどだったとも語っている。

 つまり「勉強が好き」と「高い集中力」と「東大合格」は、実はイコールではない。ただ一つ確かなこととしていえるのは、東大に合格した人は、高い集中力で勉強に取り組むことができたということくらいだろう。では東大合格という結果を出した人は、高い集中力をどのように発揮しているのか。本書はそれを考えるにあたり、本人の「好き」という要素を切り離して分析した試みといってよい。

 その結果から理解できることは、東大生のような高い集中力は、本当は誰でも発揮できるということである。あなたも本書を読めば、副題にあるように「やりたくないことも最速で終わらせる」集中力を身につけられるはずだ。(三浦健一郎)