「脳」というと、手や足のように意思のとおりに動かせないものと思われがちですが、意外と単純にできていて、「こう刺激すれば、こう反応する」という、お決まりのパターンがあります。つまり、筋肉を動かすかのように脳をうまく働かせれば、もっと能力を高めることができるのです。そこで今回は、中野信子氏の『あなたの脳のしつけ方』(青春出版社)から、そんな聞きわけのいい脳をつくるための具体的な実践法を紹介します。
集中力は「香り」や「音」で高められる!
仕事や勉強をするうえで、とにかく重要になってくるのが「集中力」。1つの作業を同じ時間するにも、集中力があるのとないのとでは成果に大きな違いが出てきます。ところが、人間は脳の構造上、集中しにくいようになっています。したがって、なかなか集中のスイッチは入りにくく、やっかいなことに、「集中しなければ…」と思えば思うほど、かえって気が散るような仕組みになっているのです。
では、集中力を高められるような状況をつくるにはどうしたらよいのでしょうか。まず、部屋の温度について。これは暑すぎても寒すぎても集中を妨げる要因となるので“適温”にすることが重要になってきます。特に、暑いと感情の動きが暴力的な方向に向かいやすいという社会学的な調査もあるので、集中したいときは、少し温度を低めに設定してもいいかもしれません。