米著名投資家のビル・アックマン氏は新型コロナウイルスが現れた際、それによる経済的打撃を市場が見誤ると予想し、数十億ドルの利益を得た。その1年後、アックマン氏は同じことをやってのけた。ファンド関連資料や事情に詳しい複数の関係者によると、アックマン氏は二つの複雑な債券投資（一方は経済活動が一気に閉鎖することを予想し、もう一方はそれが猛スピードで再開することを予想）において、約2億ドルの費用に対し、40億ドル（約4600億円）近くの利益を上げた。言い換えれば、コロナ禍の経済的影響が始まって消えていくのを予言したということだ。ヘッジファンド運用担当者として浮き沈みを経験し、また浮上したアックマン氏にとって、これは新たな一章を意味する。同氏は先週、米動画配信大手ネットフリックスの株式を大量取得したことを明らかにした。「物言う株主」として名をはせたアックマン氏は、自ら立ち上げたヘッジファンド「パーシング・スクエア・キャピタル・マネジメント」を世界最大級のアクティビストファンドに育て上げた。その後、カナダの特殊医薬品会社バリアント・ファーマシューティカルズ・インターナショナルや米栄養補助食品販売ハーバライフ・ニュートリションへの投資で大きな損失を出し、運用成績が4年連続でマイナスとなった。200億ドルあったパーシング・スクエアの運用資産は、新型コロナが流行し始めた時には70億ドルを下回っていた。