米長期債利回りは年初から上昇していたが、ここにきて安定の兆しが現れている。その結果、株価への圧力も和らぎつつある。こうした動きの背景には、米連邦準備制度理事会(FRB)が前回の景気拡大局面と同じ水準まで短期金利を引き上げるとの見方に投資家が極めて懐疑的になっていることがある。それですら、利上げサイクルのピークとしては過去70年間で最も低い水準だった。ジェローム・パウエルFRB議長が先週、連続利上げや50ベーシスポイント(bp)の利上げといった積極的なインフレ抑制策を排除しなかったことで、市場には動揺が走った。だが債券投資家の反応は、利上げ回数ではなく利上げペースの見通しを引き上げることだった。指標銘柄の米10年債利回りは1月31日に1.780%で終了。12月末時点の1.496%よりは高いものの、1月18日につけた1.866%や、1月26日のパウエル氏の会見直前の1.806%に比べれば低下している。
落ち着き戻る米債券市場、過度の金利上昇懸念は一服か
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