自然体のまま、ススキのように生きる
僕は、ススキのように生きたい。
一本一本は弱々しいけれど、天に向かってスッと伸び、しかし、頑なじゃない。
右に左に、自由にしなって風を受けて、大風に襲われようとも決して折れない。
単体で見れば地味で派手さはないけれど、ススキが集まり野原になると、途端に迫力を増す。
一面のススキ野原は、圧倒的な華やかさを放つ。
そこに風が吹けば、一面のススキが風の形のままに波打って、風がやめば元の姿になる。
ススキは、“風を見せる”植物なのです。
一本で迫力のある大木にはなれないけれど、雷に打たれて割れるようなこともない。
踏ん張らず、消耗を避け、風を受け入れ、美しく生きる。
そんな強さを、僕たちアジア人はもともと持っているはずです。
何も頑張る必要はない。
ただ、自然体の生き方を、取り戻せばいいだけなのです。
(本原稿は、中野善壽著 『孤独からはじめよう』から一部抜粋・改変したものです)