【オピニオン】いまこそ米は国防費を増額すべき時Photo:Anadolu Agency/gettyimages

――筆者のウォルター・ラッセル・ミードは「グローバルビュー」欄担当コラムニスト

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 2022年冬季五輪はスポーツよりも地政学の面で記憶に残るだろう。五輪は、中国の習近平国家主席と、ロシアのウラジミール・プーチン大統領が、冷戦後の世界秩序とそれを支えてきた米国の卓越した力に対し宣戦布告する場になった。この2人の首脳が出した共同声明は、米国を6回名指しして批判し、ウクライナから南シナ海に至るまで各地での西側諸国の協調行動に対抗する野心的計画の概要を示すものだった。首脳2人の姿勢は、世界史における休暇の時期が終わったことをはっきり示している。

 世界は変わった。それに応じて米国の政策も変わらなければならない。直面する課題に十分対処できるだけの国防力を米国が構築するまで待つ時間が長くなれば、その分だけ最終的な危険と費用負担は大きくなる。