北京冬季五輪では、米中両国の間に横たわる地政学上の対抗意識が時に手がつけられない状態までヒートアップし、大会そのものを飲み込みかねない危険が出てきた。中国当局はここにきて、その熱を冷まそうと躍起になっているようだ。中国のネット上では最近、フリースタイルスキーのアイリーン・グー(谷愛凌)選手を大絶賛する声と、フィギュアスケートのビバリー・ジュウ(朱易)選手への酷評が殺到していた。二人とも米国生まれだが、中国代表として今回の五輪に出場しており、愛国心をかきたてる存在として急浮上している。数日にわたり白熱した議論が続いた後、中国当局はコメントの一部について削除に乗り出し、さらなる投稿も封じた。行きすぎた愛国心を抑制し、幸せそうで、かつ親切な開催国としてのイメージを強調する狙いがあるとみられている。