感動小説『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』の著者が、voicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」から、とっておきのアドバイス。心がスッと軽くなる“言葉の精神安定剤”で気分はスッキリ、今日がラクになる!
魔法の言葉を追い求めようとしなくていいの
きょうのひと言は、
「かける言葉が見つからなければ、そのままでいい」
「こういうときには、どんな言葉をかければよいのですか?」
こういう言葉がけの質問をよく受けます。
「アテクシだったら、こういう」という例を伝えたりするのですが、それはあくまで「アテクシだったら」ということ。
「どう声をかけてあげればいいかわからない」からこそ、そういう質問をしているのだと思うのですが、あるがままでいいんです。
かける言葉が見つからないというのが、そのときのあなたの素直な気持ちなのであり、本音なのですから、無理して言葉をひねり出そうとしなくてもいいのです。
それでも、なにか声をかけてあげたいのであれば、「なんていったらいいのか分からないんだけど……」と、そのときの気持ちを、そのまま伝えてあげればいいでしょう。
かける言葉が見つからないとか、どう言葉をかけていいか悩むというときは、相手が落ち込んでいたりする、わりとシリアスな場面でしょう。
そういうときは、気の利いた言葉をかけてあげるとか、そういう場面に適した教科書的な言葉がけをかけてあげるというよりも、その場にあなたが居てくれること自体がうれしいはず。
あなたが心配してるんだったら、無言でも寄り添ってあげることで、その気持ちが十分に伝わります。
「気にすることないよ」「落ち込んでもしょうがないよ」なんて正論っぽいことをいってなぐさめるよりも、その場で一緒に佇んであげるほうが、相手の心を癒やしてくれるでしょうし、自分が話すよりも、相手の話をひたすら聞いてあげたほうがいいことだってあります。
どう言葉をかけていいか迷う人が、よく恐れていることは、余計な言葉を口にして相手を傷つけたり、相手との関係性に傷が入ってしまうことだったりします。
「あのひと言が許せなくて人間関係が壊れた」なんていう話をどこかで耳にしたことがあるかもしれませんが、本当はそのひと言ではなく、それまでのやりとりや関係性にすでに問題があって、最終的にそのひと言で関係性が壊れたということなんだと思います。
なんの問題も生じていない関係性なのに、たったひと言だけで即絶交に至るというのは、考えにくいですからね。
人間関係というのは、ある一部だけでなく、総合的に判断することです。
たまたま一度、言葉選びを間違えてしまったとしても、それだけで絶交に至るなんてことはないでしょう。
かける言葉が見つからないときは、無理に気の利いた言葉をかけようとしなくてもいいですし、その場で自分が思うことを素直に伝えるだけでいいと考えましょう。
また、これはちょっと場面が違う話なのですが、相手が予想だにしないとんでもないことを口にしてきて、なにをいわれているのかすぐに理解することができず、絶句するようなことがあります。
そういうときに、とっさに切り返してもいいのですが、切り返せずにフリーズしているような状態になったとしても、それ自体がボディランゲージとして相手に伝わります。
いずれにしても大事なことは、「こういう場面では、こういう言葉をかける」というテクニックを身につけようとしなくても、言葉が見つからないときは、そのままでもいいということです。
きょうのひとことは、
「かける言葉が見つからなければ、そのままでいい」
でした。
参考になったかしら?