12月に入り、2014年卒学生向けの就職サイトが本格的にスタートしました。代表的な就職サイトとして挙げられるのが、「リクナビ」「マイナビ」「日経就職ナビ」です。

 日本の就職活動が過熱して早期化、長期化し、学業を阻害するようになっているのは「就職サイト」運営会社が原因だというような意見があります。

 しかし、連載第2回(11月7日発行)に書きましたが、私は「誰が悪い」というような短絡的な原因でそうした事態が起きているのではないと考えています(私自身がその運営会社出身ですが、それは関係ありません〈笑〉)。

就職サイトに掲載する企業、しない企業
両社の違いは何か

 もともと就職サイトは掲載企業が掲載費用を払って、自社への応募学生を集めるためのサイトです。ですから就職サイトは、掲載企業に対してその企業が求めるような学生を集め、応募させることがその役割です

 大手就職サイトの掲載社数は、約1万社に上ります。言いかえれば、その1万社の欲しい学生を集客することが、就職サイトを運営するそれぞれの企業の責任ということになります

 では、就職サイトに掲載している企業は、どのような企業でしょうか。

 それらの会社は掲載料を支払ってでも、就職サイトに掲載をしたいと考えている企業です。また一方で、就職サイトはその活用方法によって効果が変わりますから、専任かそれに近い採用担当が就いている企業でなければ、活用することは難しい状態です。

 一般的に大手企業は、ほぼ上記のような条件を満たす企業と言えるでしょう。しかし中堅・中小企業には、そのような条件に当てはまらない企業が多くあります。全国に支社や支店もないため、本社の近くにある大学から採用したいと考えている会社、あるいは数人程度しか採用しない会社なども、就職サイトには掲載しにくいかもしれません。また、その企業の考え方で、あえて就職サイトを活用しない会社もあります。

 実際に、大学にはどの4年生大学でも3000~1万社ほどの企業から求人票が届いているようですが、その4割程度はどの就職サイトも利用せず、採用活動をしている企業だといいます。