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電力を固定価格で調達し、販売する利ザヤを収益源としていたエネトレードが経営不振に陥り、2025年10月に民事再生を申し立てた。この事態は、電力小売業界に大きな衝撃を与えている。債権額は約45億円に上り、すでに複数の企業が債権者であることを公表しているが、実は債権額の4分の1が、未公表のある大手新電力事業者に集中していることがダイヤモンド編集部の取材で分かった。長期連載『エネルギー動乱』の本稿では、その企業の実名と影響を詳報する。(ダイヤモンド編集部 鈴木文也)
逆ザヤが響き民事再生法の適用申請に至ったエネトレード
債権者45社のうち債権額第1位の企業とは?
2017年に創業した電力小売事業者のエネトレード。そのビジネスモデルは、発電事業者から固定価格で電力を買い取り、市場価格に連動した価格で電力小売事業者に販売することで利ザヤを稼ぐというものだった。
しかし、販売価格の変動要因となるガスの市場価格が下落したことで逆ザヤが発生し、資金繰りが急速に悪化したことで民事再生法の適用を申請した。帝国データバンクによれば、22年の売上高は570億1400万円だったが、同最終損失は14億2000万円にまで膨らんでいた。
債権者は約45社に上り、すでに新電力大手のイーレックスが約10億円、レジルが約5億9200万円の債権を保有していることが公表されている。なお、イーレックスは26年2月にエネトレードとスポンサー契約を締結し3月に電力卸売事業を譲り受ける。
だが、実は両社をしのぐ債権額第1位の大手新電力が存在するにもかかわらず、同社は未公表を貫いている。次ページでは、その大手新電力の実名とともに経営への余波を明らかにする。







