米国の化石燃料の戦略的メリットを理解するには、液化天然ガス(LNG)の輸出がウクライナ危機における欧州の救済にどう使われているかを考えてみるとよい。ブルームバーグの報道によると、12日には米国の七つのLNG輸出基地すべてでタンカーの接岸や荷積みが初めて行われ、LNGの多くは欧州に向かっている。米国の輸出需要に支えられ、LNG輸出ターミナルでのガス積み込み量は133億立方フィートと過去最高を記録した。あまりの需要の多さに規制当局は、ルイジアナ州のカルカシュー水路に建設中のプラントでタンカーにLNGを満載することを容認した。ブルームバーグによると、米国のLNGタンカー約60隻のうち、3分の2以上がヨーロッパに向かっている。欧州では、冬の供給不足とロシアの脅威により天然ガス価格が高騰している。米国からの輸出は不安がる欧州を安心させ、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領による「エネルギー恐喝」の影響を和らげ、コロナ下の生産激減後に再び増産に転じている米国のシェールガス掘削業者の市場を拡大するものだ。