ワクチン接種率の高い国々で新型コロナウイルスのオミクロン変異株がもたらす直接的な経済被害は、今のところ比較的小さく、短期間で終わるようだ。しかし、中国が国内の感染抑制のためにロックダウン(都市封鎖)を繰り返した場合、間接的な被害が大きくなる可能性がある。オミクロン株はどの地域でも一度広がり始めると感染者が急増し、死者も増えている。感染者の治療や隔離で、企業活動にも混乱が及んでいる。ただ、ワクチン接種者ではオミクロン株の症状が従来のものより軽いことが明らかになり、出現当初の規制を解除する欧州の国も増えている。米国では、病気による欠勤者が12月から2倍以上に増えたにもかかわらず、1月の雇用の伸びは加速した。