伝説の銀行家、ネイサン・メイアー・ロスチャイルドがナポレオン戦争時代に言ったとされる格言はこうだ。「通りが血で染まっている時こそ買いを入れろ」。これはロシアが2014年にクリミア半島を併合した際には正しいことが裏付けられた。その後のルーブル建てロシア株の高騰は8年近くに及んだ。だが目下、ウクライナで響き渡る砲撃音は、同国市民のみならず、投資家の見通しにとっても凶兆だ。西側の政治家はクリミア半島併合について、過去のジョージア(旧グルジア)と同じように、ロシアによる勢力圏固めの一環ながらも、そこまで騒ぐほどのことではないと考えていた。つまるところ、クリミア半島は1954年までロシアが支配していたからだ。ところが、今回のウクライナ侵攻では、今までとは異なり、西側諸国を敵とみる強力な専制国家や独裁者への経済的依存を巡る根本的な懸念が、一気に現実味を増している。
露のウクライナ侵攻、投資家はどう動くべきか
ロシアによる攻撃で加速するであろう長期トレンドを注視せよ
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