2012年も、残りあと10日余りとなった。13年はどのような年になるのだろうか? 今回は2012年の住宅・不動産市況を振り返り、そして2013年の市況を予測してみたい。

 タイトルの「モテるマンションの条件」から少し脇にそれるが、そもそも、市況が活気に満ちあふれることは、モテるマンションが多く供給されるための、もっともベーシックな条件だろう。 

足踏み感のあった2012年

 まず、12年の市況を振り返ってみたい。

 端的に言い表すと「前半は持ち直すかにみえて良かったが、後半失速」という感じだろうか。とはいえ、首都圏・近畿圏のマンション契約率(販売初月)は70%を超えていたことを考えると、「悪くない」という状況だろう。12年の後半は、マンション供給戸数が増えたこともあり、契約率は若干下がったが、それでも70%台は維持していた。

 住宅価格動向のバロメータとなる東証住宅価格指数を見ると、11年中盤から、じりじりと若干下がっているのがわかる(【グラフ1】参照)。市況は冷え込んでいるのかと思いきや、複数の業界関係者と話していると、個人の不動産投資はかなり過熱していたようだ。

 とりわけ、保有資産が数億円の富裕層による、数億円程度の小規模のマンションの一棟投資を中心に、1年を通じて注目度が高かった。高収入サラリーマンなどによる、ファミリーマンションやワンルームマンションの投資意欲も高かった。

 さて、13年の住宅・不動産市況はどうなるだろうか? それを考える上で、市況を大きく左右するファクターが、14年4月に実施される消費税率のアップだ。