米巨大IT(情報技術)企業は、ウクライナでの衝突への対応を巡りロシアと西側諸国双方から圧力を受けている。グローバルな議論に対するそれら企業の影響力を浮き彫りにする一方で、地政学的な出来事によってビジネスが圧迫される最近の流れがエスカレートしていることを示している。インターネットは少し前まで中国とその他の国の間でおおむね分割されていたが、今回の衝突はネットの分断を加速させる可能性があるとアナリストらはみている。大手IT企業はつぎはぎの各地の規制にますます対応せざるを得なくなっており、「スプリンターネット」が現実味を帯び始めているとの見方が出てきている。ロシアのウクライナ侵攻後、メタ・プラットフォームズのフェイスブック製品がロシアの報道機関のページを遮断したとして、ロシア当局はそれら製品へのアクセスを制限した。フェイスブックは、国営メディアが報じるニュースのファクトチェック(事実確認)とラベル付けを行っていると述べ、後にロシア国営メディアによる同プラットフォームへの広告掲載を禁止する方針を明らかにした。ツイッターも、同サイトへのアクセスが制限されていると述べた。