旧ソビエト連邦がこの町に築いた壁が崩壊して30年。ドイツはロシアのウクライナ侵攻への対応として、国防・エネルギー安全保障戦略の歴史的大転換を発表し、長年貫いてきた貿易と対話を軸にした外交政策を一変させた。ドイツのオラフ・ショルツ首相は連邦議会で行った演説で、軍事費をほぼ倍増し、米国製戦闘機を数十年ぶりに購入するほか、エネルギー購入先をロシアから転換しつつ、戦略備蓄を行うと明らかにした。ドイツの外交政策はこれまで軍備増強の必要性を重視せず、貿易と外交的対話によるものだった。今回のショルツ氏の大変革は、西欧最大の国である同国にとって重大な分岐点となる。また、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領によるウクライナを巡る戦争が欧州にいかに衝撃を与えているかを示している。