やる気に頼らず、「無意識で勉強する」方法【働きながら3年で、9つの資格に独学合格】
働きながら3年で、9つの資格に独学合格! 大量に覚えて、絶対忘れないノウハウとは?
「忘れる前に思い出す」最強のしくみ、「大量記憶表」を公開!
本連載の著者は棚田健大郎氏。1年間必死に勉強したにもかかわらず、宅建試験に落ちたことをきっかけに、「自分のように勉強が苦手な人向けの方法を編み出そう」と一念発起。苦労の末に「勉強することを小分けにし、計画的に復習する」しくみ、大量記憶表を発明します。棚田氏の勉強メソッドをまとめた書籍、『大量に覚えて絶対忘れない「紙1枚」勉強法』の刊行を記念して、メソッドの一部を公開します。

「無意識で勉強できる人」になる方法とは?
今日は、宅建試験の合格、あるいはもっと広く「目標を達成する」ために、非常に重要な話をさせていただきます。いきなりですが、皆さん、「受験生を覚醒させる方法」って聞いたことありますか?「なんだそれ」「ゲームのやりすぎじゃないの?」なんて思われるかもしれません。
でもこれ、実は私が宅建試験を受けていた当時、確かに体感した“覚醒”の瞬間があったんです。ズバリ言いますと、試験勉強が“ある状態”になると、受験生は覚醒します。ではその“ある状態”とは何か?それを紹介したいんです。
ある読者からこんなコメントをもらいました。「数年前にはまさか自分が宅建を受けて合格するとは思っていなかったけれど、大量記憶法を使って無理なく勉強が習慣化され、試験当日まで走り切れた。前日の配信を見て、絶対にやり切ると決意した」。このコメントを読んで、私は「まさにこれだ」と思いました。そう、答えは「習慣」です。試験勉強が習慣になると、人は覚醒するんです。
ちなみに、大量記憶表とは、「今日覚えたことを明日思い出す、明日また思い出して、明後日も思い出す」というサイクルを可視化し、繰り返し復習するための表です。詳しく知りたい方は、拙著『大量に覚えて絶対忘れない「紙1枚」勉強法』をご確認ください(下図参照)。

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私が覚醒した瞬間
私自身、受験生だったときにその瞬間をはっきりと覚えています。大量記憶法の表を使って日々の学習を管理して、だいたい始めてから2~3ヵ月くらい経った頃だったでしょうか。
その日はディズニーシーに行っていたんです。朝から晩までめいっぱい遊んで、夜10時過ぎに家に帰ってきました。もう丸一日歩き回ってくたくた、普通なら風呂入ってすぐ寝たいところです。
でも私は、特に何か意識することもなく、風呂から出たあと、自然にいつもの学習表を開いて、その日にやるべき問題集のページを開いて、淡々とこなしていたんですよ。やり終えたとき、「あ、自分いま、勉強してることに全然抵抗がないな」と思って、自分にびっくりしたんです。勉強が完全に習慣になってるって、こういうことなんだなって。
昔から「早起きは三文の得」とか「歯を磨くのを習慣にしよう」とか、小学校でもよく言われましたよね。でも、じゃあ「習慣」って何かといえば、「長いあいだ繰り返して、もうそうするのが当たり前になっている状態」のことです。つまり、試験勉強が習慣になるというのは、毎日勉強するのが当たり前、という状態のこと。ここで、習慣化されている勉強と、されていない勉強との違いって、何だと思いますか?私の経験から言うと、決定的に違うのは「ストレス」です。
勉強が習慣化されると、どうなる?
習慣化されていない場合、毎日「今日はやるぞ!」「受かりたいし、やらないとまずい」「本当は遊びたいけど、やるしかない」といった葛藤が起こります。要は、自分で自分を説得しながら勉強に向かうわけです。これが、普通の状態です。
でも習慣化されると、全く違う。「無」の状態になるんです。そこに葛藤も、動機づけも必要ない。決められた範囲を、淡々とこなすだけ。試験に受かりたいとか、やらなきゃという感情すら湧かない。ただ、「今日はこれをやる」とだけ決まっていて、それを実行するだけ。無意識に、自然に、当たり前のように。
だから私は、ディズニーシーから帰った日、学習表を見て普通に勉強を始めた自分に驚いたんです。そうなってくると、本当に強いんですよ。習慣化された勉強というのは、もはや苦ではない。最初は意志力が必要だったかもしれません。でもそれが一定期間を超えると、「やるのが当たり前」になる。ここまで来ると、もうストレスはゼロです。淡々と、必要な作業としてこなしていくのみ。感情を介さないから、モチベーションの波に振り回されることもなくなる。これが習慣化の力です。
私は最初、宅建試験を最後までやりきる気はなかったんですよ。資格を取るなんて考えてもいなかった。でも、勉強すること自体が習慣になってしまったから、「ここでやめたらもったいない」と思った。それで、せっかくついた習慣を無駄にしたくないと思って、結果的に最後まで走りきったんです。
だから、本当にお伝えしたいのは「習慣化は最強」ということ。習慣化さえできれば、毎日の勉強が当たり前になって、自然と合格が近づきます。でも逆に言えば、習慣化できないと、勉強そのものに毎回ストレスを感じ続けることになる。それは本当にもったいないことです。
勉強を習慣化するコツ
では、どうすれば習慣化できるのか。私の結論はシンプルです。大量記憶法、もしくは自分で作る学習スケジュール表を活用して、「やることを毎日明確にしておく」ことです。
ポイントは「迷わない」こと。今日は何をやるのか、それが分かっていれば、脳のエネルギーを“やるべきかどうか”に使わなくて済む。そのぶん勉強に集中できます。大量記憶法の表は、今日やるべき範囲が一目で分かるようになっていて、進捗の確認も簡単です。だから迷いが生じないし、やるべきことが明確で、習慣化しやすい。
もちろん、大量記憶法でなくてもいいんです。自分でしっくりくる形でスケジュールを管理できるなら、それでOKです。でも、習慣化の最初の壁を越えるには、できるだけ“考えなくていい仕組み”を持つことが大切なんです。いま宅建試験までは、まだ数ヵ月あります。この時期に習慣をつけるかどうかで、残りの学習生活のストレスも、達成率も大きく変わってきます。
だからこそ、いまのうちに「学習の習慣化」を目指してほしい。もしやり方が分からないという方がいたら、拙著『大量に覚えて絶対忘れない「紙1枚」勉強法』を参考にしてみてください。
(本原稿は、『大量に覚えて絶対忘れない「紙1枚」勉強法』を一部抜粋・加筆したものです)