日米欧など国際エネルギー機関(IEA)加盟国は1日、戦略石油備蓄から合計6000万バレルを放出することで合意したと明らかにした。ウクライナ危機で石油価格が急騰する中、市場に出回る量を増やして価格を抑えたい狙いだ。今回の決定は、ウクライナに侵攻したロシアに対抗する協調努力とも位置づけられる。IEAは「ロシアのウクライナ侵攻の結果として供給不足にはならないという一丸となった強力なメッセージを世界の石油市場に送りたい」としている。IEAは国際社会の対ロ制裁を支持しつつ、石油の民間在庫が2014年以来の低水準に落ち込み、需給の逼迫(ひっぱく)で価格が不安定になっている市場動向に懸念を示している。IEAが合意した放出量は当初検討されていた7000万バレルより少ない。複数の関係者によると、米国はそのうち3000万バレルを放出する。