ウクライナの首都キエフで1日、ロシアのミサイルがテレビ塔を直撃した数時間後、ビタリ・センチェンコさんはイスラエルに住むいとこに電話をかけた。家族をキエフから避難させるためだ。テレビ塔はかつてナチス・ドイツのユダヤ人大量虐殺(ホロコースト)が行われた場所の一つ、バビヤール地区にある。「バビヤール攻撃でもう我慢が限界に達した」。サイバー防衛の専門家であるセンチェンコさんは2日、キエフのポディル地区にあるシナゴーグ(ユダヤ教礼拝堂)の地下室でこう語った。同氏はここで妻のカテリーナさんと2人の子供(2歳と生後1カ月)に別れを告げる準備をしていた。ユダヤ人の地元組織が用意した避難用車両の列で3人は間もなく出発するところだった。
キエフのユダヤ人、プーチン氏の爆撃に憤怒
ホロコーストの記憶が残る国の政府を「ネオナチ」呼ばわりした上、都市を無差別攻撃するロシア大統領
有料会員限定
あなたにおすすめ