国際原子力機関(IAEA)は3日、イランは高濃縮ウランの保有量を大幅に増やし、核兵器製造に十分な量の燃料確保にこれまでになく近づいているとの見方を示した。イランを巡っては、2015年の核合意の再建に向けた協議が大詰めを迎えている。IAEAが加盟国に配布した機密報告書によると、イランは濃縮度60%のウランを2月19日時点で33.2キロ保有している。前回の報告では、11月上旬時点の保有量は17.7キロだった。核兵器を製造するための核燃料の生産には、イランは約40キロの60%濃縮ウランが必要になるとみられている。イランは核開発計画は純粋な平和目的だと主張している。イラン核合意の再建を巡り、米国、イラン、英国、フランス、ドイツ、ロシア、中国の交渉担当者はウィーンで交渉を続けている。米国は18年に核合意から離脱し、イランは核関連の活動を活発化してきた。