検索エンジンで「バッテリー」や「ブレークスルー(技術の飛躍的進歩)」という言葉を打ち込むと、リンクが貼られたページが延々と表示される。そこには興奮するようなニュース記事やバッテリーを手がけるスタートアップ企業の大げさな発表があふれている。しかし、科学者やエンジニア、スタートアップ企業の創業者、アナリストによると、バッテリー技術に関する文脈で使用されている「ブレークスルー」という言葉は、よく言っても、誤解を与えるものだ。最新の研究結果やスタートアップ企業の立ち上げが近い将来に実を結ぶとの主張は、ほぼ常にナンセンスだという。「この分野に関わって間もない人でも、『ライアー(うそつき)、ライアー、バッテリーサプライヤー』という言い回しを聞いたことがあるだろう」。バッテリーのスタートアップ企業コナミックス(Conamix)の最高経営責任者(CEO)で創業者のシャーロット・ハミルトン氏はこう話す。同社は2014年に設立され、ベンチャー投資家や米情報機関の研究部門である情報高等研究開発活動(IARPA)から資金支援を受けて技術開発に取り組んでいる。
EV電池「ブレークスルー」が起きない理由
バッテリー技術に関する大げさな主張は、よくある誇大宣伝にすぎない
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