ちょうどアドルフ・ヒトラーが率いる軍がポーランドに侵攻し、世界が大戦へと突入していた1939年秋、テネシー州の小さな街のある若き男がブローカーに対してこう指示を入れていた。米主要取引所で株価が1株1ドルを割り込んだ上場銘柄をすべて100ドル相当購入してくれ――。ブローカーは、株価が1ドル未満でまだ破たんしていない上場銘柄の一部を購入したと報告してきた。その顧客は「違う、違う」と叫んだ。「すべての銘柄がほしい。破たんしているかどうかにかかわらず、残るすべてをだ」。彼は結局、104社の株式を購入、このうち34社は破たんしていた。その顧客の名はジョン・テンプルトン。彼はその勇敢な決断を実行に移す原資を確保するため、わずか26歳で1万ドル――現在の価値で20万ドル(約2300万円)以上――を借り入れなければならなかった。
大荒れの株式市場 「勇敢」な投資の秘訣とは
過去10年あまり投資に勇気はほとんど必要なかった
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