――筆者のジェイソン・ツヴァイクはWSJパーソナル・ファイナンス担当コラムニスト ***  ちょうどアドルフ・ヒトラーが率いる軍がポーランドに侵攻し、世界が大戦へと突入していた1939年秋、テネシー州の小さな街のある若き男がブローカーに対してこう指示を入れていた。米主要取引所で株価が1株1ドルを割り込んだ上場銘柄をすべて100ドル相当購入してくれ――。  ブローカーは、株価が1ドル未満でまだ破たんしていない上場銘柄の一部を購入したと報告してきた。その顧客は「違う、違う」と叫んだ。「すべての銘柄がほしい。破たんしているかどうかにかかわらず、残るすべてをだ」。