個人投資家の間で大きな支持を集めるのが『株トレ』シリーズです。シリーズ第2弾の『株トレ ファンダメンタルズ編』では、60題のクイズを通じて「業績や財務の読み方」を学べます。著者は、ファンドマネジャー歴25年、2000億円超を運用してTOPIXを大幅に上回る好実績をあげたスペシャリストの窪田真之さん。この記事では、編集担当の視点から、本書のポイントを紹介します。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)
Photo: Adobe Stock
セグメント別の収益性をチェックする
企業の決算を見るとき、多くの人が会社全体の売上や利益の増減に目を向けます。窪田さんは、そこからもう一歩踏み込んで見てほしいポイントがあると言います。
「セグメント情報を必ず見るようにしてください。そこに事業別の稼ぐ力が表れているからです」(『株トレ ファンダメンタルズ編』より)
セグメント情報とは、どの事業でどれだけの売上や利益を生み出しているかを示すものです。
例えば、ホンダ(7267)のセグメント情報を見てみます。
ホンダのセグメント情報
売上を見ると、四輪事業が圧倒的に大きいですが、営業利益を見ると、二輪や金融サービス事業の方が高い利益率を出していることがわかります。
このように、どの事業が高い収益性を持っているのかを見ることが大切なのです。
「稼ぐ力」がある会社かを見極めよう
では、本書のクイズを使って、投資判断のトレーニングをしてみましょう。
2年連続で赤字でPBR0.7倍まで売られたG社とH社があります。セグメント情報は次の通りです。
買うとしたら、どちらがいいでしょうか?

G社の2つの事業は、どちらも赤字です。
コスト削減や構造改革によって赤字を減らすことはできるかもしれませんが、将来この会社がどのように稼いでいくのか、見通しが立ちません。
一方で、H社には、大赤字の事業αと、高収益の事業βがあります。この場合、経営改革によって収益を立て直す余地があります。
赤字の事業αを損益トントンまで改善できれば、会社全体の収益は大きく改善します。もし改善が難しければ、事業αを売却したり撤退したりするという選択肢もあります。つまり、会社を立て直すシナリオが描けるのです。
つまり、割安だと判断して投資するのであれば、H社を選ぶと窪田さんは言います。
このように、決算を見るときは、単に「赤字か黒字か」を見るのではなく、会社の中に「稼ぐ力」があるかどうかを確認することが大切です。セグメント情報は、その重要な手がかりになります。


