過去の成功例が通用せず、優れた手法はすぐに真似される「正解がない時代」。真面目で優秀な人ほど正攻法から抜け出せず、悩みを抱えてしまいます。リクルートに入社し、25歳で社長、30歳で東証マザーズ上場、35歳で東証一部へ。創業以来12期連続で増収増益を達成した気鋭の起業家、株式会社じげん代表取締役社長執行役員CEO・平尾丈氏は、「起業家の思考法を身につけることで、正解がない時代に誰もが圧倒的成果を出すことができる」と語ります。「自分らしく」「優秀で」「別の」やり方を組み合わせた「別解」を生み出すことで、他人の「優等生案」を抜き去り、突き抜けた結果を実現することができるのです。本連載では、平尾氏の初の著書となる『起業家の思考法 「別解力」で圧倒的成果を生む問題発見・解決・実践の技法』に掲載されている「現代のビジネスパーソンが身につけるべき、起業家の5つの力」から抜粋。「不確実性が高く、前例や正攻法に頼れない時代」に自分の頭で考えて成果を生む方法を紹介します。

新卒採用を毎年している会社で、「タテ社会」を飛び越える方法とはPhoto: Adobe Stock

100点ではなく、10倍の1000点をねらう

100点ではなく1000点を出す狙いは「あいつは新人だから」「若手にしてはできるよね」と言わせないためです。

100点を取って同期のトップを目指すのではなく、1000点を取ってあらゆる世代を含めたトップを目指してください。

1000点を取れば、瞬く間にリスペクトされます。先輩からの呼び方が「くん」から「さん」に変わり、教えを請われるようになります。

80点や90点で喜んでいるようでは、先輩を超えることは難しいでしょう。

新卒採用を毎年行っている企業では縦社会が続くので、実力を思う存分発揮しようと思えば、この縦社会を飛び越えなければなりません。

もちろん、1000点を出すのは困難を極めます。400点から500点で伝説になるレベルなので、当然のことです。

ただ、期待値が低いときに期待を超える点数を出すことは、可能性としては高いのではないでしょうか。ミッションの難易度が高くなければチャンスです。

ミッションに対して何倍達成したか。絶対評価が厳しければ、相対評価でレバレッジを取ればいいのです。

とくに、既存の評価基準にあてはまらない別解は、相対的に加算され、最終的には100点では収まらない点数がつけられます。

みんなができないことをやるほうが、点数が高くなりやすい。

別解力を身につけ、それを実現する力を身につけることが必要なのです。

(本原稿は、平尾丈著『起業家の思考法 「別解力」で圧倒的成果を生む問題発見・解決・実践の技法』から一部抜粋・改変したものです)