過去の成功例が通用せず、優れた手法はすぐに真似される「正解がない時代」。真面目で優秀な人ほど正攻法から抜け出せず、悩みを抱えてしまいます。リクルートに入社し、25歳で社長、30歳で東証マザーズ上場、35歳で東証一部へ。創業以来12期連続で増収増益を達成した気鋭の起業家、株式会社じげん代表取締役社長執行役員CEO・平尾丈氏は、「起業家の思考法を身につけることで、正解がない時代に誰もが圧倒的成果を出すことができる」と語ります。「自分らしく」「優秀で」「別の」やり方を組み合わせた「別解」を生み出すことで、他人の「優等生案」を抜き去り、突き抜けた結果を実現することができるのです。本連載では、平尾氏の初の著書となる『起業家の思考法 「別解力」で圧倒的成果を生む問題発見・解決・実践の技法』に掲載されている「現代のビジネスパーソンが身につけるべき、起業家の5つの力」から抜粋。「不確実性が高く、前例や正攻法に頼れない時代」に自分の頭で考えて成果を生む方法を紹介します。

「自分らしさ沼」から抜け出す、シンプルな方法Photo: Adobe Stock

アウトプットで定量化する

別解の三つの要素のひとつ、「自分らしいやり方」を強い打ち手にするには、自分の強みや弱み、好き嫌い、向き不向きのポイントを知らなければなりません。

他の人と相対的にどのような差異を持つのか、それをメタ認知することも必要です。

さらに、自分が大事にする価値観や、何を目指しているのかなど、自分そのものを知ることが成長につながります。

具体的にそれを認知できるのが、アウトプットの機会です。アウトプットをしたときに「できたこと」「できなかったこと」を列挙し、自己採点をします。

今日のプレゼンは何点だったか。70点。

その得点の根拠は。冒頭の「つかみ」ですべってマイナス10点。

最後の帰結点で先を急ぎすぎたため、一部の聴衆がついてこられなかったからマイナス15点。全体が詰まりすぎていたのでマイナス5点。

それは他の人たちのなかで何位か。日本のなかで何番目に優れているのか。

会場でアンケートを行っていれば、それを見せてもらって答え合わせをします。

自己採点との差分があれば、その根拠を把握し、改善策を実行します。アウトプットの機会は、自分を知る絶好のチャンスなのです。

このように、定量で評価をすることに価値があり、定性的な評価のみではあまり意味がないと思います。

定量で評価する訓練をし続けなければ、瞬時に自己評価をすることはできません。

(本原稿は、平尾丈著『起業家の思考法 「別解力」で圧倒的成果を生む問題発見・解決・実践の技法』から一部抜粋・改変したものです)