エネルギー関連複合企業の米コーク・インダストリーズがここ1年6カ月で、米国のバッテリーや電気自動車(EV)分野に少なくとも10件で7億5000万ドル(約904億円)相当の投資を行っていたことが、監督当局への届け出やプレスリリース、ファクトセットのデータで明らかになった。同社のチャールズ・コーク最高経営責任者(CEO)は長年、環境規制に反対し、気候変動に懐疑的な団体に資金を提供してきた。同社はここにきて、バッテリー業界の支援にかじを切っている。アナリストによると、コークによるバッテリーへの投資額は、自動車業界以外からの投資としては最大規模。同社は現在、低コストで持続可能なバッテリーの製造に取り組むフレイル・バッテリーや、バッテリー性能を高める製品を手掛けるアスペン・エアロジェルズ、リチウム製造会社スタンダード・リチウムなどの筆頭株主。固体電池の新興企業ソリッド・パワーも投資先の一つで、ソリッドは自動車大手の米フォード・モーターや独BMWからも支援を受けている。