ドルコスト平均法はなぜ世界最強か?

感情を無にしてコツコツと少額で買い続けること。株価の高い/安いは全て無視。毎月決まった日に一定の金額をコツコツ買う手法が「ドルコスト平均法」です。

(例)毎月15日に必ず3万円をつみたてる。

その時の株価が1万円だろうと100円だろうと、一定の金額を一定の期間を空けて機械的に買い続けます。「積立投資」と言いかえても良いでしょう。これが世界最強の投資法です。

「本当にドルコスト平均法が最強なのか?」と、疑問に思われている方もいると思います。ここで、とある投資対決をします。

ルール設定:つみたてNISAの上限金額が年間40万円。期間は仮に6年間としましたので、トータル240万円で勝負をしてみましょう。好きなタイミングで売り買いしてOKです。課税額は省略します。3人のうち誰が勝つと思いますか?

まず1人目の素人くん。

1年目と2年目に全額を使ってしまい、大きな損失を出しました。資金が尽きて上昇のチャンスも逃がしました。最終結果は-136万円という大損でした。なぜここまで大損したのか?「上がった時に喜んで買う」「下がった時に悲しんで売る」という感情丸出しで売り買いをする最もNGなサルの行動だったからです。

こうやって俯瞰して見ると、皆さまは「素人くんバカじゃん! サルじゃん!」と思いますが、99%の人はこの行動をとります。人間は欲深いのです。どんな投資のプロでも、初めはみんな素人くんと同じなのです。必ず大損をしてから気づく。「投資は感情を無にしたほうが得するのね…」と。

では次に2人目のまとめてくん。

まとめてくんは初年度の2015年に240万円を全額投資します。そして鋼のメンタルで、株価が上がっても下がっても永遠に《放置》をします。まとめてくんの《放置》を忠実に実践できる人は投資で成功します。

最終結果は+72万円。ただし、ずっと放置ができる鋼のメンタルの人は私は見たことがありません。1000人以上にアドバイスをしましたが1人もいません。人間はサルだからです。

最後に3人目のドルコスちゃん。

ドルコスちゃんは真面目で素直です。株価が上がっても下がっても一喜一憂せず、ドルコスト平均法のルールに則って、年間40万円を必ずコツコツ買い続けます。最初は小さな芽だったのですが、機械的にコツコツ買い続けていると、時間が経つにつれ、いつのまにかお金は巨木になりました。

最終結果は+138万円という大きな利益を出すことができました。
(対決の詳細は『世界一面白くてお金になる経済講座 知識ゼロからはじめる投資のコツ』をご覧ください)

結果はドルコスちゃんの圧勝。まとめてくんも鋼の意志で強い結果でした。

ほとんどの人は一喜一憂をして感情で売り買いをしてしまうのです。全人類の99%は素人くんと全く同じ行動をしています。逆に言うと、素人くんのような人が勝手に損してくれるから、機械的にコツコツする人・放置する人が大きな利益を手にします。

今回はたった6年間の対決でしたが、これを実際の経済に当てはめて30~40年で考えるとさらに大きな差となります。同じ会社・同じ入社年度・同じ給料のサラリーマンでも、老後に数千万円の差がつきます。時間の威力は恐ろしいですね。。

南 祐貴(みなみゆうき・セカニチ)
投資で「必ず勝つ」たった1つの方法とは?

Koru-workers株式会社 代表取締役。
1989年東京都調布市生まれ。2012年に大手広告代理店に入社、約6年勤めて、自由になるため退職・起業。クラウドファンディングなどで資金を集めて高輪ゲートウェイ駅近くに宿泊施設「Koru Takanawa Gateway」をオープン。同時に、経済や投資をわかりやすく解説する「#世界最速で日経新聞を解説する男(セカニチ)」を開始。生放送コミュニティ・オンライン学習サービスの「Schoo」では、国内最大級6200本の授業から「ベスト授業&ベスト先生」の2冠に輝く。本書が初の著書。各SNSで毎日情報発信。インスタグラムのフォロワーは2万人以上。『世界一面白くてお金になる経済講座』が初の著書。