今、コロナ禍で多くの人が可処分所得の減少に悩み続けている。
そして、いよいよ来年4月から高校でも「資産形成」の授業が始まる。
圧倒的多くの個人金融資産を現金で持つ日本人。一方、その多くを株式等有価証券で保有するアメリカ人。よくいわれる幼少期からの金融教育の差が、決定的な国力の差になっている確かなデータは不明だが、この7月、「日経新聞」に掲載された「世界のユニコーン、5割増」の中で両国は対照的だ。
「世界のユニコーン729社中アメリカは374社で世界ダントツ。一方、日本はたった6社」
一体全体、この違いは何なのか?
翻訳家・大学特任准教授・MPower Partners Fund L.P.ゼネラルパートナーが本業の関美和氏は、長らく外資系金融業界の最前線にいた。
★Amazon.com「1600以上の読者評価、星5つ中の4.6の高評価
★Amazon.com「Children's Moneyジャンルベスト10の常連
★ベストセラー『生涯投資家』村上世彰氏絶賛
ベストセラーとなっている『13歳からの億万長者入門──1万円を1億円にする「お金の教科書」』を翻訳した関氏に、3つの力【稼ぐ力】【貯金力】【投資力】を同時に身につける方法を聞いた(構成・山本奈緒子)。

大人も子どもも、3つの力――【稼ぐ力】【貯金力】【投資力】を同時に身につける方法Photo: Adobe Stock

稼ぐ力を磨く「1万円を手に入れる5つの方法」

大人も子どもも、3つの力――【稼ぐ力】【貯金力】【投資力】を同時に身につける方法関美和(せき・みわ)
翻訳家。MPower Partners Fund L.P.ゼネラル・パートナー。
杏林大学外国語学部特任准教授。
慶應義塾大学文学部・法学部卒業。電通、スミス・バーニー勤務後、ハーバード・ビジネス・スクールでMBA取得。モルガン・スタンレー投資銀行を経てクレイ・フィンレイ投資顧問東京支店長を歴任。また、アジア女子大学(バングラデシュ)支援財団の理事も務めている。おもな訳書に『父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。』(ダイヤモンド社)、『FACTFULNESS(ファクトフルネス)――10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』(日経BP)、『ゼロ・トゥ・ワン――君はゼロから何を生み出せるか』(NHK出版)、『お父さんが教える 13歳からの金融入門』(日本経済新聞出版)など多数。

 私が翻訳した『13歳からの億万長者入門──1万円を1憶円にする「お金の教科書」』は、アメリカの子ども向け経済番組『Biz Kid$』をもとに、ジェームズ・マッケナ、ジェニーン・グリスタ、マット・フォンテインが執筆したお金の教科書です。

 テレビ番組から生まれた書籍であるだけに、エンターテインメント性が強いレイアウトになっていますが、書かれていることは至極真っ当です。

 お金を増やすには3つの力――「稼ぐ力」「貯める力」「投資力」のすべてが必要ということがとてもわかりやすく書かれています。

 日本のマネー本というと、どうしても「投資力」だけが強調されたものが多く、「稼ぐ力」や「貯金力」についてはほとんど触れられていません。

 でも、この本は、一瞬「なにを今さら?」と思ってしまいがちな「稼ぐ力」「貯金力」についてこれでもかと詳しく書かれています。

 たとえば、第4章で「1万円を手に入れるおこづかい大作戦」と題して「稼ぐ力」を紹介しているのですが、「1万円を手に入れる5つの方法」として次のことをあげています。

【方法1】おこづかいをもらう
【方法2】仕事をする
【方法3】プレゼントをもらう
【方法4】お金を借りる(借金する)
【方法5】金利(または投資リターン)を稼ぐ

 どれも当たり前すぎてつい忘れていたり、バカにしておろそかしていることではないでしょうか。

 実は億万長者たちは、こういった基本をとても大切にしていることが、著者たちの長年にわたる研究で明らかになりました。

 上の「5つの方法」で、「おこづかいがない場合の頼み方」で「親愛なる( )様」で始まるレターの書き方まで指南しているのは、さすがに訳していてびっくりしました(笑)。

 この本は当たり前のことを指南しながら、スイスイ楽しみながら読めてしまうのがチャーミングなところです。