音楽資産は低金利時の人気商品だが、米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げ実施で投資家の選好度は変化するだろうか。これまでのところ、楽曲の原盤権には資金が流入している。調査会社MIDiAリサーチのデータによると、大手レコード会社やプライベートエクイティー(PE)企業、英ヒプノシス・ソングス・ファンドなど音楽特化型ファンドが昨年、ティナ・ターナーやザ・ビーチ・ボーイズといったアーティストの楽曲の原盤権購入に費やした額は総額120億ドル(約1兆4700億円)超。前年に記録した過去最高額のさらに2倍以上となった。低金利下で利回りを求める投資家が代替資産に目を向けるようになり、音楽著作権に対する需要が高まった。楽曲の原盤権は、著作権使用料(ロイヤルティー)という形で支払われる安定収入という点で、高利回り債券と比較されることもある。ナイトクラブやアップル・ミュージックなどのストリーミングプラットフォームで曲が再生されるごとに、その楽曲の権利者は収入を得られる。
利上げ心配せず 堅調な音楽著作権資産を支えるファン
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