1位はコロナ影響をもろに受けた
ブライダルのエスクリで315.5万円
4月から、さまざまなモノの値段が上がった一方、給料はなかなか上がらない。そこで今回は、従業員の平均年齢が30代前半の上場企業を対象に、年収が低い会社ランキングを作成した。
作成には、上場企業の有価証券報告書に記載された平均年収データを使用した。対象期間は、2020年4月期~21年3月期。単体の従業員数が100人未満の会社は除外している。
早速、ランキングを見ていこう。
1位は、挙式・披露宴の企画・運営を行うエスクリで、平均年収は315.5万円だった。同社は2003年に創業、10年に株式上場し、従業員数は1000人超。ブライダル業界では大手の一角である。
コロナ禍でブライダル市場は大きな影響を受けている。エスクリも例外ではなく、全国で30超の婚礼施設を運営するなか、休業を余儀なくされた。21年3月期決算は、売上高129億円、営業損益が64億円の赤字、当期純損益が54億円の赤字。そうした苦境が従業員の給料にも影響し、平均年収は前期に比べて約18%もダウンしている。
一方、足元では業績回復の兆しも見えている。22年3月期の第3四半期決算では、コロナ禍以降、四半期営業損益が初めて黒字に転換した。受注数はコロナ禍になる前の7割、受注単価は9割の水準まで回復している。
ブライダル業界の予測では、挙式・披露宴の市場規模は今後10年、1兆円強で推移する(突発的な影響を除く)。エスクリの分析によると、ブライダル業界は圧倒的シェアを持つガリバー企業が不在であり、業界4番手に着けている同社は、シェア拡大の余地があるという。従業員の平均年収アップにも期待したいところだ。