アップルは、栄誉あるオスカーの獲得からさらに利益を得られる見込みがある。この機会を同社のストリーミングサービス部門の押し上げにつなげてこそ、本当の効果と言える。現地時間3月27日夜に行われた米アカデミー賞授賞式で「コーダ あいのうた」が最優秀作品賞を受賞し、アップルは正真正銘の勝利を手にした。主にストリーミングサービスで配信された映画がこの栄誉に輝いたのは初めてのことだ。アップルは、脚本の企画を手掛けたり、製作資金を提供したりするという形でこの映画を手掛けたわけではなく、昨年のサンダンス映画祭で好評を博した「コーダ あいのうた」を2500万ドル(約30億6500万ドル)で買い取ったのだ。この金額は、同映画祭に参加した映画の配給権獲得額としては過去最高だが、アップルが2時間ごとに生み出すフリーキャッシュフローに相当する程度のものだ。