――筆者のセス・クロプシー氏はヨークタウン・インスティテュートの創設者・代表で、米海軍士官や海軍次官補を歴任 ***  ウクライナでのロシア軍の失敗を目にした西側諸国の専門家らはすぐにも、ロシアの能力不足によって米国の軍事力強化の必要性が軽減されると主張し始める可能性が高い。しかし、ロシアの失敗は兵たん面の問題に起因するものだ。そして米軍の能力もロシア軍と同様に、大国との大規模な戦いに向けた態勢が整っているとは言えない。  ロシア軍は、軍事パレードに登場するピカピカの装備に大金を投じてきたにもかかわらず、兵たんには十分な資金を振り向けてこなかった。