「社内プレゼン」は、ビジネスパーソンにとって必須のスキルです。どんなによいアイデアがあっても、組織的な「GOサイン」を得なければ一歩も前に進めることができません。そのためには、説得力のあるプレゼンによって決裁者を説得する技術が不可欠なのです。
そこで役立つのが、ソフトバンク在籍時に孫正義氏から「一発OK」を何度も勝ち取り、独立後、1000社を超える企業で採用された前田鎌利氏の著書『完全版 社内プレゼンの資料作成術』(ダイヤモンド社)です。
本書では、孫正義氏をはじめ超一流の経営者を相手に培ってきた「プレゼン資料」の作成ノウハウを、スライド実例を豊富に掲載しながら手取り足取り教えてくれます。読者からは「大事なプレゼンでOKを勝ち取ることができた」「プレゼンに対する苦手意識を克服できた」「効果的なプレゼン資料を短時間で作れるようになった」といった声が多数寄せられています。
本稿では、本書より一部を抜粋・編集して、わかりやすいプレゼン資料をつくるうえで重要な、キーメッセージを「13文字以内」か「13文字+40文字以内」でまとめる方法について解説します。

わかりやすいプレゼン資料をつくる「13+40の法則」写真はイメージです。Photo: Adobe Stock

キーメッセージを読ませてはいけない

 プレゼンのスライドにおいて、キーメッセージは「読ませるもの」ではなく「見せるもの」です。

 1字1字読んで、ようやく意味がわかるのではダメ。パッと見た瞬間に、意味がスッと頭に入ってくるようにしなければなりません。

 そのためには、どうすればよいか?

 方法はただひとつ。文字数を減らすことです。

 人間が一度に知覚できる文字数は、少ない人で9文字、多い人で13文字だと言われています。日本最大のニュースサイト「Yahoo!」のニューストピックの見出しも13文字が上限になっているのも、おそらく、これと同じ理由だと思います。

 それに倣って、キーメッセージは必ず13文字以内に収めるようにしてください。「文章」をつくる感覚ではなく、「Yahoo!」のニューストピックの見出しをつくることをイメージするといいでしょう。

最重要ポイント以外はすべてカットする

 キーメッセージを13文字以内にするためには、伝えるべき最重要ポイント以外の要素をすべてカットしていきます。

 まず、カットしていただきたいのが平仮名です。

「~のための」「~による」「~について」といった平仮名は不要。また、「~を」などの助詞も省けるものが多いので、〈例文1〉のように、できるだけ取るようにしてください。

〈例文1〉
【before】売上未達を改善するための戦略提案について(20文字)
【after】 売上未達改善の戦略提案(11文字)

 また、伝えるべきポイントを明確にして、〈例文2〉のように、付随的な要素はすべてカットするようにしてください。

〈例文2〉
【before】今月も加入者は12,013,249件の増加が見込まれる(25文字)
【after】 加入者約1200万件増(11文字)

 この例文の第1の問題は、主語述語のある文章になっていることです。キーメッセージは、このような文章にする必要はありません。いたずらに文字数が増えるからです。

 そして、「今月も」「見込まれる」など付随的な要素はカットします。それは、口頭で伝えれば済むこと。キーメッセージは、決裁者にインプットしたいポイントだけに絞ればいいのです。

 さらに、4桁を超える数字を直感的に把握するのは難しいので、「12,013,249件」は「約1200万件」と表記します。口頭で「正確には1201万3249件です」と補足するか、詳細の数字を記したアペンディックスを用意しておけば十分です。

 なお、「加入者大幅増」などとすれば字数は減らせますが、数字そのものは必ず残すようにしてください。数字は一目で理解できますし、何よりインパクトと説得力があるからです。

「13文字+40文字」という組み合わせもOK

 ここまで述べてきたように、できるだけキーメッセージは「13文字」以内でまとめるのがいいのですが、どうしてもそれではうまくいかないこともあります。むしろ、無理矢理「13文字」以内にしたがために、意味不明なスライドになるのでは本末転倒です。

 そこで、そのような場合には、下図のように、メインのキーメッセージは「13文字」以内でまとめて、より詳しい情報は「40文字」以内の箇条書きで表現することをおすすめします。

わかりやすいプレゼン資料をつくる「13+40の法則」

「40文字」であれば、だいたい10秒程度で意味を理解することができますから、プレゼン相手にもそれほどの負担をかけることにはなりません。ワードのA4サイズのデフォルト設定が「1行40文字」になっているのも、そうした配慮があるからだと考えられます。

 とはいえ、ずらずらと「40文字」を並べると理解しにくくなるので、なるべく箇条書きにするようにしてください。とにかく、プレゼン資料にはできるだけ「文章」を書かずに、文字数を少なくするように配慮することが大切なのです。

(本稿は、『完全版 社内プレゼンの資料作成術』より一部を抜粋・編集したものです)