「社内プレゼン」は、ビジネスパーソンにとって必須のスキルです。どんなによいアイデアがあっても、組織的な「GOサイン」を得なければ一歩も前に進めることができません。そのためには、説得力のあるプレゼンによって決裁者を説得する技術が不可欠なのです。
そこで役立つのが、ソフトバンク在籍時に孫正義氏から「一発OK」を何度も勝ち取り、独立後、1000社を超える企業で採用された前田鎌利氏の著書『完全版 社内プレゼンの資料作成術』(ダイヤモンド社)です。
本書では、孫正義氏をはじめ超一流の経営者を相手に培ってきた「プレゼン資料」の作成ノウハウを、スライド実例を豊富に掲載しながら手取り足取り教えてくれます。読者からは「大事なプレゼンでOKを勝ち取ることができた」「プレゼンに対する苦手意識を克服できた」「効果的なプレゼン資料を短時間で作れるようになった」といった声が多数寄せられています。
本稿では、本書より一部を抜粋・編集して、“たった100円”でオンライン・プレゼンの採択率を格段に向上させる方法を解説します。
「本編」は手短に、「質疑応答」を分厚くする
近年、リモートワークが一般化したことで、オンラインでプレゼンする機会が増えています。
オンライン・プレゼンは、リアル・プレゼンに比べて発信できる情報量が圧倒的に少なくなりますから、その限界を強く意識しながらプレゼン・トークを展開する必要があります。
その際に重要なのは、オンライン・プレゼンでは、プレゼンそのものをできるだけ手短に終えて、できるだけ質疑応答に多くの時間を割くように心がけることです。
相手が「納得」するに足るだけの情報共有を行うためには、双方向でのコミュニケーションを“分厚く”することで、相手の疑問を丁寧に払拭していく必要があるからです。
もちろん、質疑応答の時間を増やすだけではいけません。
相手の疑問や質問に説得力をもって回答できるように、綿密な想定問答を踏まえて、万全のアペンディックスを準備しておくことが不可欠。この準備をしっかりとしたうえで、質疑応答でじっくりと相手と向き合っていくことが求められるのです。
「ホワイトボード」で共通認識を図解にする
ただし、単に口頭で質疑応答を繰り返すだけでは、相手の思考が整理されない(つまり、「納得」できない)ことになりがちです。
そこで、おすすめなのが100円均一ショップで購入できる「ホワイトボード」を活用することです(写真参照)。
ホワイトボードをカメラに映しながら、そこに質疑応答の内容をオンタイムで図解化したりすることによって、双方の認識を可視化するわけです。
こうすることによって、双方の認識が揃っていることを確認しながら話を進めることができるので、相手の「納得」や「合意」が得やすくなるのです。
「オンライン・プレゼンなのに、ずいぶんローテクだな……」と思われるかもしれません。
たしかに、オンライン会議アプリにもオンタイムで描画できるボードがついているので、それを活用することも可能ではありますが、操作に手間取るために使い勝手が悪いのが実際のところです。
ここで重要なのは、相手との認識を揃えることですから、手書きでさっさと図解化できるホワイトボードを使うほうがベター。プレゼン終了時にスクリーンショットでホワイトボードを記録すれば、関係者で簡単に共有することもできるので非常に便利です。
100円で用意できる頼りになる「武器」であるホワイトボードを、ぜひご活用ください。
(本稿は、『完全版 社内プレゼンの資料作成術』より一部を抜粋・編集したものです)