新型コロナウイルスの封じ込めに向けて過去2年にわたり厳格な措置を広範に導入してきた中国の習近平国家主席は、上海で新たなアプローチを試みた。経済への打撃と「ゼロコロナ」戦略への市民の怒りに配慮し、感染が広がる上海市に対して一定の裁量を与えた。政府の政策決定者に近い関係筋が明らかにした。具体的には、感染が広がっている地域のみに限定してロックダウン(都市封鎖)を導入することを上海市に認めるというものだった。成功すれば、この先「コロナとの共生」のひな形となり得る。ところが、上海市はここ1週間に感染者が5倍近くに急増。米欧の状況と比べれば依然低いものの、7日には1日当たりの感染者数が2万人を超え、中国全体の感染者数を過去最多に押し上げた。習氏は感染スパイラルとロックダウン再開という、諸外国の首脳らが二度とみたくないと願う双子のジレンマに直面している。
ゼロコロナに逆戻りの中国、オミクロンで窮地
緩和を模索していた習氏、上海の感染急増で厳しい規制に舞い戻り
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