――筆者のシェリル・ウィノカー・ムンク氏は米ニュージャージー州ウエストオレンジ在住のライター
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投資家の一部は、利益見通しに比べて株価が割高な銘柄を自動的に却下する。だが新たな調査で、過大評価された株にはプラスの面があること――少なくとも経済全体にとって――が明らかになった。それは企業の独創性を促すという点だ。
調査結果は金融学術誌「Journal of Financial and Quantitative Analysis」の12月号に掲載された。それによると、株価が割高な企業は技術革新(イノベーション)を追求する傾向が強いだけでなく、野心的な(将来先駆的プロジェクトになる可能性を秘めた)事業のリスクを引き受ける姿勢が鮮明なことが示された。
立証されていない技術や研究に資金を投じることは、多くの理由から企業にとってリスクとなりかねない。従ってリスクを嫌う経営者は、イノベーションに尻込みしがちだと、この調査を行った研究者の一人、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)アンダーソン経営大学院のシュー・ホン・テオ教授は述べた。