金融の世界に無料ランチはない。だがこれは例外と言えるだろう。物価連動型の米貯蓄国債だ。5月以降の利回りは10%近い水準になる。  米財務省証券「シリーズI」(通称「Iボンド」)は、3月の消費者物価指数(CPI)をもとに最新インフレ調整を行った結果、年率9.6%もの利回りが提供されることになる。米労働統計局が発表した3月のCPIは前年同月比8.5%上昇し、1981年12月以来の大きな伸びだった。  利息は半年複利で計算され、5月と11月に見直される。Iボンドは投資先として常に売れ筋だったわけではないが、米インフレ指標の急上昇を受けて変化が生じている。