金融の世界に無料ランチはない。だがこれは例外と言えるだろう。物価連動型の米貯蓄国債だ。5月以降の利回りは10%近い水準になる。米財務省証券「シリーズI」(通称「Iボンド」)は、3月の消費者物価指数(CPI)をもとに最新インフレ調整を行った結果、年率9.6%もの利回りが提供されることになる。米労働統計局が発表した3月のCPIは前年同月比8.5%上昇し、1981年12月以来の大きな伸びだった。利息は半年複利で計算され、5月と11月に見直される。Iボンドは投資先として常に売れ筋だったわけではないが、米インフレ指標の急上昇を受けて変化が生じている。米財務省の記録によると、過去6カ月間のIボンド発行額は110億ドル(約1兆3800億円)近くに上る。これに対し、2020年と2021年は同期間に約12億ドルだった。
米貯蓄債「Iボンド」 安全で10%近い高利回り
3月の米CPI上昇がインフレ連動債の追い風に
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